2024年に新NISAが始まって投資市場は絶好調!
テレビCMや電車の中刷りなどでも投資に関する広告、明らかに増えてきていますね。
銘柄によっては、たった1営業日で純資産(投資家から預かったお金+投資の運用利益)が2倍になっているものもあり、新制度の始まりとともに多くの人が投資の世界に足を踏み入れたことが見て取れます。
グラフの緑色部分が純資産。1/5に100億円だったのが1/9には206億円にまで急拡大。
で、投資を始めたばかりで右も左も分からない状況では大体の人が
「投資 おすすめ」みたいなキーワードを打ち込むかと思います。
そうするとヒットするキーワードの2大巨頭として
「オルカン(オールカントリー)」と「S&P500」が出てくるのではないでしょうか。
この記事ではオルカンについて専門用語少なめでかみ砕いて書きましたので、これから投資を始める方にも負担なく読んでいただけるかと思います。
オルカンが最強と言われる理由
まず結論です。オルカンが最強と言われる理由は
- 「過去の実績が良く、今後も伸びそう」で
- 「投資に必要な維持費がめちゃくちゃ安い」上に
- 「定期的に投資先を見直して自動で最適化してくれる」から
です。1つずつ説明しましょう。オルカンは今やいろんな証券会社から出ていますが、ここでは一番有名といっていい「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のことを指して解説します。
過去の実績が良く、今後も伸びそう
オルカンが始まったのは2018年の10月から。意外と歴史が浅いですよね。
まだ6年も経っていないというのに、なぜこんなにオルカンって人気なのでしょう。
オルカンは一人の大天才が独自に株を売り買いしているわけではなく、とある指標をもとに運用を行っています。
そのベンチマーク(指標にしている指数)の名称こそが「MSCI ACWI←オール・カントリー・ワールド・インデックス 略してオルカン」なのです。MSCIという企業がオルカンの指数を算出していて、この指数に連動するように証券会社は株式を日々売り買いしているわけですね。
そして、この指数自体は2018年よりもずっと昔から存在しています。筆者が確認出来る限りでは2009年には存在していました。MSCI ACWI Index
実際に指数を見てみるとわかるのですが、リーマンショックとかコロナとか、時々大事件は起きるものの、全体を振り返ると右肩上がりになっています。
MSCI ACWIは先進国と成長の見込まれる発展途上国をミックスした指標で、利益を追い求める資本主義そのものを象徴する指数といえます。
世界の大半が資本主義である以上は、長い目で見れば今後もこの指数は上がり続けることが予想でき、それに連動したオルカンは信頼性の高い商品!と多くの投資家が判断したというわけです。
2009年6月に100にも満たなかったスコアが2024年6月時点で557.37まで膨れ上がっていますから、オルカンが2009年から投資できていたとしたら、今頃は億万長者がたくさんいたかもしれませんね。
投資に必要な維持費がめちゃくちゃ安い
負けにくい投資を目指そうと思った時に、勝率を高めてくれるのは「時間」と「コスト」です。
先ほど触れたように世界を揺るがすような事件があったとしても、経済というのはとても力強く成長を続けてきました。我々は経済の成長に期待して投資をするのです。
上記はオルカンの年間収益率の推移です。まさに山あり谷ありですが、長い目で見れば多くはプラスの収益で1年間を終えていることがわかり、ずっと投資を続けていればマイナスの年があってもプラスの年がカバーしてくれることが期待されます。
そして、長く投資を続けるにあたってとても大事なのは維持費です。
ここまで「過去の成績もよかったし今後も多分伸びる」みたいな書き方をしましたが、正直に言って未来のことは誰にもわかりません!投資の世界に絶対はありませんから「たぶん上がるよね?」と思いながら投資をするほかありません。
ただ、そんな私たちにも確実に分かっていることがあって、それがコストです。
投資で払うコストは「購入時の手数料」「解約時の手数料」「信託報酬(お金を預けている間の管理費)」です。
「購入時の手数料」「解約時の手数料」は0円の商品がかなり増えました。オルカンも0円です。
「信託報酬」はオルカンでいうと年率0.05775%です。(2024.8時点)
100万円預けていたら、年間577.5円支払うことになります。これなら仮に儲けが出なかったとしても許せる金額かと思います。
気を付けないといけないのは、よく過去の数年間の実績がすごくいいファンドが「手数料はちょっと高いけど、この商品はいいですよ」といって年率1%を超えるようなものを売りつけてくるパターンです。
先ほど申し上げた通り、過去の運用成績と未来の実績は結び付けて考えること自体が成立していません。サイコロを振って3回連続で6が出たからといって次に6が出る確率が1/6を超えることはないように、次の出目は誰にも分かりません。
インデックス投資は指数をもとに淡々と投資されるので、オルカンもそうですが手数料が低く設定されることが多いです。手数料が高い商品の大部分はアクティブファンドといって、ファンドマネージャーの裁量により売買をするため、信託報酬が高くなりがちです。
上記のシミュレーションは年利5%の利益を生み出せるファンドが2つあったと仮定して青がオルカン(信託報酬0.05775%)オレンジがアクティブファンド(信託報酬1%)で初年度に100万円を一括投資して30年間運用した場合の結果を表しています。
結果は425万円と320万円で1.3倍以上の大差がつきました。
1%と聞くとあまり大きな数字に感じないかもしれませんが、長期投資をしていると0.1%の差でもかなり大きな影響を持ちます。オルカンは指数も良いし、信託報酬も極めて優秀なインデックスファンドなので、今後も長く支持されることでしょう。
定期的に投資先を見直して自動で最適化してくれる
これは2024年4月30日現在の、オルカン投資先ベスト10です。
WordとかExcelでおなじみ、マイクロソフトがトップになっていて、全体の約4%を占めています。
オルカンは全世界に対して均等に投資をしているわけではなく、常に経済の勢力図を見張っていて、組み入れる比率を調整しています。
アメリカの影響力はすさまじくて、トップ10の内1つを除いてすべてアメリカがランクイン。全体で見ても約6割がアメリカを投資先としています。
ただ今後は勢力図が変わっていく可能性があります。たとえば投資先として最近話題のインド、ベトナムが順調に力をつけてきたから組み入れ比率を増やそう、とか、逆にロシアが戦争を始めてしまったからロシアは組み入れから除外する、などです。実際にロシアは現在投資対象から除外されています。
個人ではとても管理しきれないような量の投資対象を日々メンテナンスしてくれているオルカンは、素人の私たちにとって大変ありがたい存在です。その管理も込で年率0.05775%ですから、ちょっと安すぎるくらいかもしれないですね。
まとめ
あらためて、オルカンが最強の投資と言われる所以は
- 「過去の実績が良く、今後も伸びそう」で
- 「投資に必要な維持費がめちゃくちゃ安い」上に
- 「定期的に投資先を見直して自動で最適化してくれる」から
でした!
現状最強格であることは間違いないと思います。
投資を続けていて、もっとアメリカのパワーを感じたい!となればアメリカ企業だけに投資対象を絞った「S&P500」を、日本株の調子がよさそうだ!と思えば、日経225を対象とした「たわらノーロード」など、自分の意思決定によって投資先を変えていくことも選択肢として大いにありでしょう。
でも投資先を限定すればするほど上昇も下落も強く影響を受けがちではあるので、それに耐えられるメンタルも必要です。大事なのは長く続けること。荒波に振り落とされないように投資生活を続けていきましょう。
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